しめじ80%

わたしがわたしになるまで

彼女と、おまじない

 

そんな私が好きである。

 

最近、彼女はおまじないを教わった。

頭の中をジャッジメントがよぎったら、それに続けてそういうだけだった。

 

私は心配性である、そんな私が大好きである。

こんなに食べすぎちゃって絶対太る…そんな私が大好きである。

やろうと決めてたのに、寝坊しちゃった…そんな私が大好きである。

 

彼女はこんなおまじないなくったって自分は自分が好きだから大丈夫だと思ったのに、

 

いざ意識してみると、数秒に一回はジャッジメントしているような有様だった。

 

無意識ってこわい。

 

おまじないを教えてくれたその人は彼女にいった。

「ほんとうの悪魔は目には見えないんだよ、でも、概念としてみんなの心にすみついてる」

 

そして悪魔は彼女たち、私たちにも吹き込むのだという。

「そんな事していいの?」

「あーあ、やっちゃったね」

「やっちゃダメだったんじゃない?」

 

様々な言葉で、

あたかも自分の脳からの言葉かのように

そう囁いて罪悪感を植えつけていく。

 

それを自身の言葉だと思いこみ

知らぬ間に悪魔に肢体を奪われてしまうのだそうだ。

 

彼女は理解しながらも、

自分の中での評価の言葉が悪魔によるまやかしだとは納得がいっていなかった。

 

だけど、あまりにもその時置かれている彼女自身の状況が彼女を落ち込ませていたのは事実なので、

おまじないをはじめてみた。

 

なんにもしないで大丈夫なの?そんな私が大好きである。

ひとりぼっちで寂しい、そんな私が大好きである。

 

悪魔のささやきを否定せず、でも密やかに対抗をする。

彼女が出会った、おまじない。